役場内で結婚した夫婦はどちらかが退職するべき―。
福井県池田町では、町職員同士が結婚した場合、夫婦どちらかに退職を促す慣習が残っている。町側は、職員の高い給与水準を批判する町民感情や人事ローテーションの制約などを理由に「撤廃する予定はない」との考え。「時代にそぐわない」との指摘もある中、なぜこのような慣習が今も続くのか探ってみた。■町民の意見から誕生
この慣習は、前町長時代の1993年に誕生した。当時の町職員は町内の民間事業者と比べ給与水準が高く、家族内から複数人が公職に就くことに対して町民から疑問や批判の声が上がっていた。町はそれらの意見を踏まえ、町議会の理解を得て夫婦に退職を促すルールを設けた。現在も服務規程とは別に、人事上の内規として文章化されたものが残っているという。
町によると、退職勧奨は夫婦から結婚の報告を受けた際に担当課長が行う。採用時には慣習についての説明はなく、職員は勤務する中でこの慣習が“暗黙の了解”となっていることを知る。町は「勧奨が理由で辞めたのか、元々辞めるつもりだったのか判断が難しい」としつつ、過去20年で3組程度の夫婦が対象になったと説明。現在は約70人の町職員がいるが、職員同士で結婚した夫婦が両方残っている例はないという。
溝口淳副町長は「結婚時の退職勧奨には強制力はない。両方働きたいという意志が示された場合に、夫婦が不利益な扱いを受けることは決してない」と説明。慣習を撤廃できない理由としては▽町職員の給与に対する批判が一部の町民の中に残っている▽人事ローテーションに大幅な制約が出る▽過去に慣習を受け入れて退職した職員がいる―ことを理由に挙げた。
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Source: マネーニュース2ch